オットーネ通信34
イタリアのプロ直伝 春~初夏のペアリングアイディア3選
こんにちは! イタリア現地で愛されるナチュラル&ピュアなワインをお届けする【オットーネ】です。当サイトへお越しいただきありがとうございます!
オットーネのブログでは、イタリアワインにより親しみ、よりおいしく楽しみたいという方へ、産地や品種のさまざまな情報、造り手やワインのエピソード、レストランや食卓での楽しみ方などについてお届けしています。
さて、早くも5月に突入。爽やかな気候にあわせて、選ぶワインも白やロゼなどの軽やかなものが多くなってきたのではないでしょうか?
今回はそんなシーズンにあわせて、イタリア現地のメンバーでソムリエのLuca Mazzoleniさんが教えてくれた、春~初夏におすすめしたい3つのアッビナメント(ペアリング)アイディアをお届け!
季節を感じながら料理とワインを楽しみたい。
イタリア現地での組み合わせを再現してみたい。
そんなあなたにおすすめの内容です。
目次
ちょっと組み合わせのコツを抑えて、料理とワインのある豊かで楽しいひと時をお過ごしいただけたら嬉しいです! それではどうぞ♪
1)やさしい香りと色彩が春らしい
アスパラのリゾット×ヴィオニエのワイン
Risotto agli asparasi × Langhe bianco Vije
▲画像はGiallo zafferano"Risotto agli asparasi"のページより https://ricette.giallozafferano.it/Risotto-agli-asparagi.html
お米とアスパラの生産地であるピエモンテ州の春の定番料理です。
グリーンアスパラの爽やかな甘み、チーズやバターのやさしい塩味とコクとのハーモニーがとっても上品な料理。淡いグリーンも美しいですね。お米はアスパラと一緒に野菜のブロードで炊き込みましょう。繊細ながらも奥行きのある味わいになります。
合わせるのはピエモンテ州ロエロのワイナリー、マリオ・コスタ社のLanghe bianco Vijeです。
アロマティックな香りとフレッシュさが特徴のヴィオニエ100%のワインで、白桃などの果実やミモザやドライフラワーの香り、オレンジピールやシトロンの果物の砂糖漬けのニュアンス、程よい酸が全体を引き締めてくれます。
料理とワインの繊細な香りと味わいを上品に楽しむ、春らしいペアリングです。
▼参考レシピ(イタリア語)
Giallo zafferano"Risotto agli asparasi"
https://ricette.giallozafferano.it/Risotto-agli-asparagi.html
2)旬食材を使ったお手軽料理
イカとグリーンピースのトマト煮×ネッビオーロのロゼワイン
Seppie con piselli al Pomodoro × Ancant
▲画像はLa Mimosa Rosa"Seppie con piselli al Pomodoro"のページより https://blog.cookaround.com/lamimosarosa/seppie-con-piselli-al-pomodoro/
イカとグリーンピースを使った煮込み料理はイタリア全土で食べられており、各地にさまざまなバリエーションが存在します。冷凍品を使って手軽に作るのもアリですが、この時期市場に出回る旬の新鮮な食材を使えばより一層おいしさを感じられます。
「魚介には白ワイン」と思うかもしれませんが、このレシピのようにトマトベースの煮込みならぜひロゼを試してみてほしい……!
合わせるのはマリオ・コスタ社のネッビオーロ100%のロゼワイン、Ancantです。
淡いサーモンピンク色がチャーミングな雰囲気。スミレやラズベリーなどのフレッシュなアロマ。ベリーやチェリーのニュアンスも感じられます。口に含むとエキゾチックなフレッシュフルーツのような酸と丸みのある甘やかさ、ほんのり感じるタンニンが全体を心地よくまとめてくれます。気兼ねなく飲めるカジュアルさも魅力的。
料理と合わせてみると、トマトベースのうまみ、イカの持つほんのりとした甘みと苦み、グリーンピースのコク……と料理全体の食べ応えに対し、ワインのやさしい酸やタンニン分、ほどよいボリューム感によって、おいしさの相乗効果が生まれます。またロエロのあたりは海底が隆起した土地であるため、かすかに感じられる石灰質のやさしいミネラル感も、魚介料理に寄り添ってくれますよ。
▼参考レシピ(イタリア語)
La Mimosa Rosa"Seppie con piselli al Pomodoro"
こちらは唐辛子を入れるタイプですが、お好みでコショウやパセリでもOK。
https://blog.cookaround.com/lamimosarosa/seppie-con-piselli-al-pomodoro/
3)キュートなビジュアルで手土産にも◎
ペスケ・ドルチ×甘口ワインのヴィショラ
Pesche dolci × Nena e Vincè La visciola
▲画像はDulcisss in forno"Pesche dolci"のページより https://blog.giallozafferano.it/dulcisinforno/pesche-dolci/
まるで桃の果実のようなかわいらしいこのお菓子の名はペスケ・ドルチ。マルケ州をはじめ、エミリア゠ロマーニャ州、トスカーナ州、アブルッツォ州などでも作られているお菓子です。マカロンのなかにチョコレートクリームをサンドし、アルケルメスという赤いリキュールで色付けし、仕上げに砂糖をまぶします。
合わせるのは、マルケ州のファットリア・ナンニ社が造る伝統的なデザートワイン、Nena e Vincè La visciolaです。
ヴィショラとは酸味の強い野生のサワーチェリーのこと。ヴィショラの砂糖漬けと共にサンジョヴェーゼ、モンテプルチアーノで造られるこのデザートワイン、野原を思わせるサワーチェリーの爽やかさに加え、ラベンダーやアマレットのようなふっくらとした香りと味わい、ビターな余韻が印象的。さらりとした軽めの飲み口で、親しみやすさもあります。
チョコレートクリームとアルケルメスの芳ばしさが、ヴィショラの甘酸っぱさとほろ苦さと絶妙にマッチ。甘さ×甘さの魅惑的なハーモニーをおしゃれに楽しめる組み合わせです。
ピクニックやパーティの手土産に、またもうすぐ来る母の日のギフトなどに添えれば、きっと喜ばれるのでは…^^
▼参考レシピ(イタリア語)
Dulcisss in forno"Pesche dolci"
https://blog.giallozafferano.it/dulcisinforno/pesche-dolci/
まとめ
春~初夏の旬の料理とワインのペアリングについて、イタリア現地から教えていただいたアイディアをお届けしました。いかがでしたか? 彩りも豊かで、わくわくするような組み合わせでしたね。
旬や季節感を大切にする考えは、日本とイタリアで相通じるものがあるように思います。明るく爽やかな季節を感じながら、楽しんでトライしてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。GRAZIE!
(取材・文:宮丸明香)