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オットーネ通信(第32回)
ワインと生ハム&サラミ ~ペアリングのポイント~

こんにちは!イタリア現地で愛されるナチュラル&ピュアなワインをお届けする【オットーネ】です。
当サイトへお越しいただきありがとうございます!

オットーネのブログでは、イタリアワインにより親しみ、よりおいしく楽しみたいという方へ、産地や品種のさまざまな情報、造り手やワインのエピソード、レストランや食卓での楽しみ方などについてお届けしています。

さて今回のテーマは、ワインと生ハム&サラミ ~ペアリングのポイント~です。

ワインと生ハム&サラミ

今回このテーマを思いついたのは、先月、弊社のアンテナショップであるエノパニーノ・イケブクロ(以下エノパニ)に、ロンバルディア州の秘境地ヴァルテッリーナの名産品ブレザオラ(牛の生ハム)が入荷されたことがきっかけ。これはかなり貴重な機会!
ヴァルテッリーナのワインとブレザオラ、郷土性の組み合わせとしては完璧なのですが、実際、本当においしいのか?確かめてみることにしました。

ついで、、、ワインと合わせる前菜やおつまみとして、定番中の定番、生ハム&サラミですが、私は過去に何度か「どうもこのワインとはいまひとつだなぁ~」と感じる組み合わせをした経験があります。あれは一体なぜだったのか?

ワインとの相性がよければおいしさ倍増! 逆に相性が△だと、個性が悪目立ちしまうパターンもある。そのあたりをよくよく探ってみるとおもしろいのでは、ということで今回記事のテーマとして取り上げてみることにいたしました。

この記事は、生ハム&サラミとワインのペアリングを楽しみたい方や、おいしいペアリングをお客様に提案したいお店の方におすすめの内容です。

この記事をお読みいただくと、
・組み合わせによって、味わいどのような違いが生まれるかがわかります。
・おいしい組み合わせの傾向を知ることができます。
・組み合わせの考え方は、料理にも応用できます。

どうぞ最後までご覧ください。

用意したもの/生ハム&サラミ3種、ワイン4種

今回は、エノパニにご協力いただき、生ハム&サラミ3種と、オットーネのワイン4種を用意し、それぞれの組み合わせを試してみました。
産地、製造方法、味わいの特徴などは以下の通りです。概ね、味わいのライトなもの→しっかりとしたものという順に並んでいます。

①生ハム&サラミ

生ハム&サラミ

1.ハモン・セラーノ(ドゥリベール社)*写真右上
スペイン産豚肉を使用した11カ月熟成の生ハム。香りよく、ほど良い塩味で上品。嚙むほどに旨み、甘みを感じられる。クセはあまりない。食感はやさしくソフト。

2.サラミ・ミラノ(フリース社)*写真中央
オーストリア産。香りはややしっかり。塩味は中程度。豚特有の風味、熟成由来のやさしい酸味、脂のしっとりとしたコク、胡椒やハーブのスパイス感が特徴。

3.ブレザオラ・デッラ・ヴァルテッリーナ(ボルドーニ社)*写真左上
スイス国境に近いヴァルテッリーナ渓谷で作られる牛肉の生ハム。ほのかなハーブの香りに、牛らしい(ビーフジャーキーのような)熟成香。ほど良い塩味。食感はしっとりとやわらかい。オリーヴオイルやレモン汁。薄くスライスしたパルミジャーノともよく合う。

②ワイン

ワイン

*写真左から順に

1.ロエロ・アルネイズ(白)(マリオ・コスタ社)
ピエモンテ州ロエロで生産。アルネイズ100%。アルコール度数13%。ステンレスタンクで20~25日間発酵、6~7カ月間熟成。リンゴや桃、ハチミツのような甘い香りに、フレッシュな果実味、引き締まった酸や微かなミネラル感が爽やか。バランスのよい味わい。

2.ルガーナ クロマルゴ(白)(コルテ・セルマーナ社)
ヴェネト州ルガーナで生産。トゥルビアーナ100%。アルコール度数12.5%。ステンレスタンクで10~15日間発酵、6~8カ月間熟成。白い花、熟した柑橘類、草花のニュアンス。ややコクがあり、酸はまろやか。余韻に心地よい苦み。

3.ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ サセッラ“グリーゾネ”(赤)(アルフィオ・モッツィ社)
ロンバルディア州ヴァルテッリーナで生産。キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)100%。アルコール度数14%。小さなステンレスタンクで発酵、2000~3000Lのフレンチオーク樽で18カ月間熟成、6カ月間瓶内で落ち着かせてリリース。バラやイチジクのような香り、ラズベリー。チェリーなどの瑞々しい味わい、緻密で上品なタンニン。

4.オルトレポー・パヴェーゼ バルベーラ カンポ・デイ・チリエージ(赤)(トラヴァリーノ社)
ロンバルディア州オルトレポー・パヴェーゼで生産。バルベーラ100%。アルコール度数13%。ステンレスタンクで発酵、12カ月間熟成。ベリー類やカシスのような甘く芳醇な香り、フルーティーな果実味とまろやかな酸、スパイシーさもある。

③ペアリングの結果

大前提として、ワイン、生ハム&サラミともに、それぞれ状態もよく、それぞれにちゃんとおいしいです。よって、商品の優劣を示すわけではなく、あくまで組み合わせの結果感じたことを率直に記しました。

…非常に良い(とてもおすすめ)
…良い(おすすめ)
…普通
…いまひとつ   としています。

ペアリングの結果

実際に試してみると、こんなに感じ方に違いが出るものなのかとビックリ!!「これ、めっちゃおいしい!」と「これはちょっと違う」の差がよくよくわかりました。

④検証結果から考えた、組み合わせのポイント

今回試してみた結果から導き出した考えはこちらです。

★比較的合わせやすいのは赤白ワインともにミディアムボディ。
生ハム&サラミは、薄くスライスしてあることが多いので、食べ応えは軽めではありますが、味わいにはそれなりの凝縮感があります。そのため、あまり軽すぎるワインと合わせるとワインの繊細な香りや味わいなどが損なわれてしまい、逆に重すぎるワインと合わせると生ハム&サラミの優しい甘みや旨味を消してしまうようです。

★ワインの個性と生ハム&サラミの味わいは、補完関係にあたる。
ワインの果実味自体は生ハム&サラミに対してあまり邪魔にならないようでしたが、酸味・苦み(タンニンなど)・複雑性などは、食べ合わせたときのバランスを左右し、場合によっては悪目立ちの要因ともなるように見受けられました。ただ、これらの個性が生ハム&サラミの味わいを補い、バランスが取れた時には、ものすごい高いポイントでおいしさを発揮します。
補い合う要素として、例えば
・ハモン・セラーノの甘み×ワインの酸味
・サラミ・ミラノの脂のコク×ワインの苦み
・ブレザオラの牛の旨味×ワインの複雑性  といった具合でしょうか。

これは料理とワインの組み合わせるときにも大いに応用できるのではないでしょうか。

骨格の大きさをそろえること、香りや味わいの構成要素を見て、重なる部分と補う部分を考慮することが、さらなるおいしさを引き出すちょっとしたコツと言えそうです。

まとめ

今回、検証してみて、組み合わせ次第でおいしさを感じられる度合がこんなにも変わることに驚きました。正直、最初からパーフェクトな組み合わせを狙うほうが難しいのかもしれませんね。
まずは生ハム&サラミの盛り合わせなどを頼んで、ワインを一杯合わせてみましょう。
骨格や味わいのバランスを考えながらいただくと、お互いが調和しておいしさが引き立つポイントがきっと見つかるはずです。
自分自身の五感を働かせて探る楽しみも含めて、ぜひワインと生ハム&サラミを堪能してみてくださいね。

(取材・文:宮丸明香)

▼ご協力ありがとうございました。Grazie!

エノパニーノ・イケブクロ
TEL:03-5927-9929
住所:東京都豊島区西池袋3-29-9 福利ビル1階
 (池袋駅 C3出口より徒歩1分)
営業時間:平日11:00〜15:00、16:00〜22:00 土日祝日11:00〜22:00
休日:火曜日(祝日の場合は、休まず営業)※定休日以外にもお休みの場合があります。
URL:https://enopanino.com/

※ご利用の際はお店の公式情報をご確認ください。