【現地レポート】ルガーナの可能性を探るテイスティング会
こんにちは! 土地と造り手を感じる食事に寄り添う美しいワインをお届けする【オットーネ】です。当サイトへお越しいただきありがとうございます。
こちらのブログでは、イタリアワインにより親しみ、よりおいしく楽しみたいという方へ、産地や品種のさまざまな情報、造り手やワインのエピソード、レストランや食卓での楽しみ方などについてお届けしています。
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さて、2月下旬の土曜日、ルガーナの造り手コルテ・セルマーナの当主フィリッポさんは、数名のジャーナリストや友人を招いてテイスティング&ランチ会を開きました。我々の師匠であるルカ・マッツォレーニさんが、その様子をレポートしてくれたのでご紹介します!
Corte Sermanaについて
ロンバルディア州とヴェネト州の境界、ガルダ湖畔のDOCルガーナのエリアは約110のワイナリーが集まる白ワインの銘醸地です。コルテ・セルマーナは湖の南側に畑とセラーを構えています。1930年からブドウの栽培を始め、2009年に現当主フィリッポ&ニコラの兄弟がボトリングを始めました。セルマーナの地はミネラルに富んだ上質なワインを生むとして、グランクリュにも認定されています。畑では有機農法を採用し、トゥルビアーナを中心に育て、その透明感のある瑞々しいワインを生み出しています。
▶︎詳しくはこちら
https://ottone.co.jp/winery/corte-sermana/
さて、この日フィリッポさんは、ルガーナの白ワインに合う伝統的なヴェネチア料理を用意してくれました。また白ワインの熟成の可能性を示すために、特別に2010年と2014年のルガーナ "クロマルゴ "も試させてくれることに。
試飲ワインリスト
●2021 LUGANA SPUMANTE DOC PALAFITTE
●2016 LUGANA SPUMANTE DOC PINTADE Metodo Classico
●2022 LUGANA DOC CROMALGO
●2018 LUGANA DOC RISERVA SERMANA
●2020 LUGANA DOC RISERVA SERMANA
●2014 LUGANA DOC CROMALGO
●2010 LUGANA DOC CROMALGO
合わせたヴェネツィア料理
用意してくれた料理はこちら。
●サラミとチーズの盛り合わせ
●ヴェネツィア風チケッティ&フォルペッティ(シーフードの前菜)
・エビ、赤玉ねぎ、ビーツのマリネ
・イカ、ズッキーニ、ニンジン、セロリのマリネ
・タコとジャガイモのパセリ和え
・ピクルス
●カワカマスのグリル、ケッパーと胡椒風味
●イカとグリーンピースのトマト煮込み
●バッカラ・マンテカート(鱈のディップ)
特に印象深かったワイン
2022 LUGANA DOC CROMALGO
数週間前に瓶詰めされたばかりの新ヴィンテージです。2022年は暑くて日照に恵まれた年だったが、フィリッポ・ボッタチーニは早めの収穫と、ガルダ湖畔の目の前という畑の特別な立地のおかげで、非常に上質で、フレッシュで明るいルガーナを造ることができたとのこと。
色は淡い緑色で、淡い麦わら色のニュアンスがある。香りはシャープで明るく、ライム、グレープフルーツ、火打石のノートがある。口に含むと豊かで、中/高めの酸味があり、フレッシュで、後味にグリーン・ハニーデュー/グリーン・メロンが感じられました。
2020 LUGANA DOC RISERVA SERMANA
非常に印象的で、非常にシャープで明るくミネラル感のある香りは、若いシャブリを彷彿させるものがありました。
青リンゴ、牡蠣の貝殻(海の空気)、グリーンアーモンドなど、香りは非常にピュアで力強いです。口に含むと、レモンのような強い酸味が感じられ、とても心地よい。非常に有望なヴィンテージで、長期熟成に適した偉大なルガーナになるでしょう。
フィリッポさんもそのことを、とても幸せに誇りに思っています。
2014 LUGANA DOC CROMALGO
イタリアワイン業界にとって、ここ最近で最も雨の多い、湿気の多い、困難な年となりました。赤ワインにとっては最悪の年でしが、白ワインやスパークリングワインにとっては素晴らしい年でした。
フィリッポの2014ルガーナ "クロマルゴ "は、この年にイタリアで造られた最も素晴らしい白ワインの一つに間違いなく数えられます。
アルコール度数はわずか12%ですが、香りはとても複雑で、甘く、熟していて、いまだにチャーミングな印象があります。パッションフルーツ、タンジェリン、蜂蜜のヒント……香りは刻々と変化。口当たりは軽いが風味豊かで、ピリッとした柑橘系の後味に蜂蜜のニュアンスが混じります。あと5年は優雅に熟成するであろう、とてもチャーミングなルガーナです。
2010 LUGANA DOC CROMALGO
フィリッポが畑とセラーを引き継ぎ、自ら醸造を行った最初のヴィンテージです。2010年は冷涼で乾燥したバランスの良いヴィンテージでした。
ハチミツ、マンゴー/パッションフルーツ、ヘーゼルナッツ/ローストナッツ、サフランのスパイス。色は黄金色だが、非常に明るく、生き生きとしている。口に含むと、濃厚でリッチ、オイリーな滑らかさがあり、甘く塩味のある風味も感じられます。複雑で力強く、頂点に達した白ワイン。素晴らしいものでした。
2014、2010は、どちらのヴィンテージも若々しさと複雑性を併せもち、甘くエレガントな素晴らしいワインであることがよく理解できました。
ルガーナのポテンシャルを存分に感じ、ジャーナリストやバイヤーの皆さんも、コルテ・セルマーナのワインをとても気に入ってくれました。
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取材・文・写真:Luca Mazzoleni
編集:宮丸明香
Luca Mazzoleni氏プロフィール
1975年ベルガモ生まれ。イタリアとアメリカのワイン業界で経験を積んだプロのソムリエ、ワイントレーダー。偉大なワインジャーナリストであるルイジ・ヴェロネッリ氏に師事。ワイン雑誌の執筆なども多数。その後ニューヨークの輸入業者で経験を積み、ワイン取引会社「ウノヴィーノ」を設立。同時に有名ワイナリーでの営業マネージャーも務め、2017年以降は、米国、ヨーロッパ、アジアに向けたワインビジネスに注力している。
プロのテイスターとして毎年、バローロやキャンティなどのプリムール・テイスティングに参加。さらに、ヴェロネッリ家の友人として、約4万本の古く貴重なイタリアワインを保有するヴェロネッリ氏のプライベート・セラーの保存・普及の権利・責任を担っている。