オットーネ通信（第19回）香りふくよか・味わい爽やか！キャンティ地区で造るヴェルメンティーノ・ディ・トスカーノ

こんにちは！

イタリア現地で愛される
ナチュラル＆ピュアなワインをお届けする【オットーネ】です。

桜もちらほら咲き始め、いよいよ春到来、という感じですね！

今日は、新しい季節らしく、チャレンジから生まれた、爽やかでフルーティーな白ワインをご紹介したいと思います！

Tenuta Parentini（テヌータ・パレンティーニ）社

トスカーナのフィレンツェ県エンポリにあるテヌータ・パレンティーニ。生産するワインのほとんどがトスカーナのエノテカやレストランで消費されている、地元では人気の生産者です。

当主のリッカルドさんは、伝統を尊重しつつ、探求心とチャレンジ精神にあふれた方。このヴェルメンティーノも、リッカルドさんの挑戦から生まれた逸品です。

ヴェルメンティーノはティレニア海沿岸で生産されている白ブドウ品種。イタリアでは1800年代から主にトスカーナ、サルデーニャ、リグーリアに定着し、温暖な土地に合う優れたブドウとして栽培されるようになりました。

しかしながら、内陸に位置するパレンティーニのあるエンポリ周辺（キャンティ地区）では、ヴェルメンティーノは最近まであまり栽培されていませんでした。

なぜか？キャンティ地区ではそもそも気候が冷涼であること、また、とりわけトレッビアーノ・トスカーノが主流な白ブドウ品種であったためです。（トレッビアーノは、伝統的な甘口ワインであるヴィンサントや、キャンティの原料として用いられています。）

そんな中、数年前にリッカルドさんがさまざまなワインを試飲した際に、ヴェルメンティーノに、興味を抱き始めます。

「この香りのいい白ワインを、自分の手で作ってみたい！」

前例があまりなく、ハードルの高いことでしたが、その思いに駆り立てられ、2015年、試しにヴェルメンティーノを何列か植えてみることに。

ファースト・ヴィンテージは 2018年。果実味が全面に出やすい沿岸部産のヴェルメンティーノと比較すると、冷涼な土地ならではの繊細な仕上がりとなりました。

幸い顧客からの評判もよく、2020年にはヴェルメンティーノ専用のエリアを拡大するに至っています。樹齢も若いので、今後が楽しみ！

ヴェルメンティーノは非常にデリケートな品種なので収穫のタイミングが肝心です。作業を行う朝方が涼しくなり、尚且つブドウが最適な糖度に達して芳香が蓄積した9月中旬に行われます。

香りを保つために収穫後はすぐに茎を取り除いて圧搾。果汁は20°～22°Cに温度管理されたステンレスタンクの中へ。

ここから15～25日間かけて自然酵母のみによって発酵を行います。ブドウが発酵し始める瞬間は「魔法のよう」と言うリッカルドさん。長い栽培期間が報われる嬉しいひとときなのだそう！

その後ステンレスタンクで6ヶ月、ボトル内で2ヵ月熟成を行い、収穫翌年の夏にリリースされます。

香りは白い花や、熟した果実の香り、リースリングのようなぺトロール香、ハーブのニュアンスがあります。口にすると、グレープフルーツや熟したレモンのような清涼感、あとから洋梨のようなふくよかさが広がり、ミネラルと酸味、余韻に感じるアーモンドのような微かな苦みが心地よく感じられます。

抜栓直後は酵母の関係で少し発泡し、やや強い酸味を感じますが、あまり冷やし過ぎず、時間を少し置くと、香りがよく立ち、口当たりもまろやかになってきます。そんな変化もぜひお楽しみくださいね。

フレッシュ感に加えて奥行きのある味わいなので、前菜はもちろんのこと、ちょっぴり手の込んだ魚介料理との組み合わせが◎！

トスカーナの郷土料理なら、カッチュッコ（魚介スープ）バッカラ・アッラ・リボルネーゼ（リボルノ風タラのトマトソース煮）トンノ・ブリアーコ（マグロのワイン煮）などがおすすめです。

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固定概念はさておき、「やってみよう」と一歩踏み出し、新たな価値を創出してくれるのがパレンティーニの魅力！新しいチャレンジを控えた方にも、励ましをくれるような、そんな一本です。

（文：宮丸明香）

ワイナリー：テヌータ・パレンティーニ
原産：トスカーナ州／フィレンツェ県
品種：ヴェルメンティーノ・ディ・トスカーノ100％
内容量：750ml
アルコール度数：13%
タイプ：白
参考上代：3,000円（税込3,300円）

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