ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. オットーネ通信(第30回)秋にはキャンティ! 飾らず・品良く・食事に寄り添うワインオットーネ通信(第30回)秋に...

オットーネ通信(第30回)
秋にはキャンティ! 飾らず・品良く・食事に寄り添うワイン

こんにちは!イタリア現地で愛されるナチュラル&ピュアなワインをお届けする【オットーネ】です。当サイトへお越しいただきありがとうございます!

食欲の秋! この季節の食事とともに楽しめるワインとして、まずもっておすすめしたいのがキャンティです。

そこで今回は、キャンティとはなんぞや? という基本を押さえたうえで、弊社取り扱いのテヌータ・パレンティーニ社のキャンティについて、生産こだわりと楽しみ方をご紹介していきます!

この記事を読んでわかることはこちら。

それではキャンティの奥深い世界をのぞいてみましょう~!

キャンティとはどんなワインか?

世界中で親しまれている、イタリアワインのエース的存在! トスカーナ州の内陸の6県にまたがる広範囲の地域で、サンジョヴェーゼ主体で造られる赤ワインです。

生産量が非常に多いゆえ(約80万hℓ。DOPの中では3番目に多い)、ワインのスタイルは幅広く、気軽なものから、エレガントなもの、リッチなものまで実にさまざまあります。

サンジョヴェーゼの特徴
イタリア全土で栽培されており、黒ブドウ品種の生産量は国内No1。チェリーやベリー類、スミレの香りに、果実味と豊かな酸、タンニンのバランスのよいワインを生み出しています。

キャンティの歴史について
14世紀ルネッサンス時代にはキャンティの品質の高さはヨーロッパ中に知られていたといわれています。そのブランド価値にあやかろうと、生産地域が広がり、安価で低品質なワインが多く造られるようになったため、この状況を危惧したコジモ3世が、1716年にキャンティを名乗ってもよしとするエリアを法律で定めました。これが世界初の原産地呼称制度だといわれています。

1967年、広範囲でのキャンティはDOCに認定されます。この時にイタリア統一運動を推進したトスカーナのベッティーニ・リカーゾリ男爵によって、キャンティにブレンドしてよい品種の栽培面積比率が定められました。が、これはブレンド比率の規定はなかったので、生産しやすい白ブドウの比率を多くするなどして安い早飲みワインが多く出回り、キャンティの評判は落ちてしまいます。

これに対し1980年代には格付けは下げても自分が本当においしいと思えるものを求める生産者が現れ始め、規定は度外視し国際品種なども自由にブレンドしたワインが造られるようになりました。いわゆるスーパータスカンです。

こうした現状に合わせるように、1984年にキャンティがDOCGに昇格する際は国際品種のブレンドも認められるようになりました。また1996年にはキャンティ・クラッシコのエリアが独立した銘柄となりました。現在のキャンティ・クラッシコのエリアはかつてコジモ3世が定めた地域とほぼ一致しており、従来から伝統的な生産が行われている地域としてより明確に認識されるようになりました。さらに2014年にはキャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネが制定され、最上級の味わいと品質を追求しています。

キャンティとキャンティ・クラッシコ
それぞれの基本特性を簡単にまとめてみました。キャンティの若いうちから楽しめるフレンドリーな印象、キャンティ・クラッシコのエレガンスや重厚感といった印象はこうした違いからもイメージできますね。

パレンティーニのキャンティのこだわり(栽培・醸造について)

ここからはスタイルさまざまなキャンティの中で、パレンティーニのキャンティはどのようなものかをご紹介していきます。

当主のリッカルドさんが目指しているのは、「古い畑に存在する最も古いサンジョヴェーゼのクローンを用いて、キャンティの典型と特徴を持ったワインを造ること」

フィレンツェの農業大学を卒業した後も、微生物学の権威である恩師ヴィチェンツィーニ氏と共に、長年にわたってクローン研究を行ってきたリッカルドさん。その飽くなき探求心をワインへと反映させるべく、品種本来の持ち味を引き出すことを大切に考え、サンジョヴェーゼ100%でキャンティを生産しています。

栽培について
エンポリはキャンティのエリアの東側の端に位置し、畑はなだらかな丘の麓にあります。栽培において配慮しているのは、化学的な製品に頼らず、自然栽培で品質の高いブドウを育てるために、できる限り収量をおさえ健康状態を保つこと。今現在所有している5haの畑では、1haあたり5000本でブドウが植えられています。

醸造について
品種本来の持ち味を引き出すことを大切に考え、サンジョヴェーゼ100%、ステンレスタンクを用いて醸造しています。酵は29℃に温度管理したステンレスタンクにて3週間かけて自然発酵。1日3回のリモンタージュを行い、色、ポリフェノール、有機的性質の安定を図ります。
発酵後は澱引きをして、ステンレスタンクで7~8カ月間熟成、さらにボトル内で7~8カ月間熟成してリリース。ステンレスタンクを用いて既定の最低熟成期間の2倍以上の熟成期間を設けることで、サンジョヴェーゼの持つフレッシュな香りと果実味を保ちつつ、洗練された落ち着きのある味わいを生み出しています。

パレンティーニのキャンティの楽しみ方(味わい、アッビナメントについて)

▲料理画像:https://www.tavolartegusto.it/ より

仕上がったキャンティは、プラムのようなジューシーさを感じさせる香りに、豊かな果実味、飲み心地は滑らかでありながら重すぎず上品。その飾らない味わいは、ワイン単体でというよりむしろ食中酒として好ましく、料理を引き立てて箸をすすめてくれるような一本です。前菜からセコンドまで通して楽しめますよ。

トスカーナ郷土料理
生ハムやサラミフィノッキオーナなどのサラミ類
熟成チーズ
黒レバーのクロスティーニ
パッパ・アル・ポモドーロ(トマトのパン粥)
リボッリータ(固くなったパン、白インゲン豆、カーボロネーロの煮込み)
パンツァネッラ
アリスタ(豚背肉のローズマリー、ニンニクを効かせたロースト)
ジビエ料理(イノシシなど)
トリッパ

その他の料理
ピッツァ(サラミ、照り焼きなど)
エスニック料理(ガパオとか)
ハンバーグやハンバーガー
もつ煮込み
焼肉、焼き鳥
中華料理(肉団子、レバニラ)などなど

ほかにもさまざまにアイディアが広がりそうですね♪

まとめ

最後に、当主のリッカルドさんからのコメントを記しておきたいと思います。「この30年間は、我々は非常に高いレベルのブドウ栽培の発展を目の当たりにしてきました。生産者がますます手入れの行き届いた、心地よいワインの生産に専念したことによります」

歴史の中でも時代をリードし多くの人を虜にしてきたキャンティが今なお愛され続けているのは、造り手や土地によるさまざまなスタイルを認めながら、地域としての誇りをクオリティや生産環境の向上をもって体現してきたからでしょう。こうした姿勢が、キャンティという一つの銘柄とってもバリエーション豊かに私たちの食卓にフィットしてくれるのですね。

フレンドリーさと品格とを兼ね備えたパレンティーニのキャンティも、ぜひお試しください。

(文:宮丸明香)

ワイナリー:テヌータ・パレンティーニ
原産:トスカーナ州/フィレンツェ県
品種:サンジョヴェーゼ100%
格付け:D.O.C.G.
内容量:750ml
アルコール度数:13.5%
タイプ:赤
参考上代:2,530円(税込)

★ご購入はこちら★
https://ottone.stores.jp/items/5ee71bd80d5e382389c7f059

【関連ページ】

▶Tenuta Parentini(テヌータ・パレンティーニ)基本情報

オットーネ通信(第3回)ヴェネランドゥス/テヌータ・パレンティーニ

オットーネ通信(第10回)天にも昇る心地「聖なるワイン」ヴィン・サント

オットーネ通信(第13回)チャレンジ精神が生んだパレンティーニの100%カベルネ・ソーヴィニヨン

オットーネ通信(第19回)香りふくよか・味わい爽やか!キャンティ地区で造るヴェルメンティーノ・ディ・トスカーノ

オットーネ通信(第26回)土地を探る ~トスカーナ州エンポリ編~

お問い合わせは下記からお気軽にどうぞ

イタリアワイン専門インポーターのオットーネ

【TEL】070-2821-0471(平日9~17時)

【メール】info@ottone.co.jp

【ライン公式アカウント】https://lin.ee/gVlzHoF