オットーネ通信（第5回）ヴァルテッリーナの土地と自然を誠実に表現 アルフィオ・モッツィ社グリーゾネ
いつもオットーネのワインをお取り扱い頂きありがとうございます。
銘柄に焦点をあててお伝えしていくオットーネ通信は、弊社のワインをより深く楽しみ、親しんででいただけるように、とお届けしております。
さて、第5回にピックアップするのはこちら。
Alfio Mozzi（アルフィオ・モッツィ）社
Valtellina SP Sasella "Grisone" （ヴァルテッリーナ サセッラ グリーゾネ） D.D.O.G.
社長の音川曰く、「飲む度に、あまりの香りの良さ、味わいのエレガンスさに、ついつい唸り声を上げてしまう！」という逸品です。
それではグリーゾネの魅力を紐解いてゆきたいと思います！
アルプス地帯にありながら地中海性気候を持った歴史的ワイン産地
ここは、ロンバルディア州ヴァルテッリーナ渓谷。スイスとの国境近くのアルプス山脈が連なるこのエリアは、2,000年以上の歴史を持つワイン生産地です。
アルフィオ・モッツィの畑があるのは、ヴァルテッリーナに5つあるソットゾーナ（特定の指定地域）の中でも最上のテロワールと呼ばれるサセッラ地区。
切り立った崖のような斜面に造られた約3.5ヘクタールの段々畑を有しています。
畑の土壌は砂利を含んだ砂質。水はけが良く、シリカが豊富な沖積土です。
段々畑にはシストと呼ばれる黒い岩が重なり、これが太陽の熱を吸収、夜に放出することで、畑の湿度が保たれてるのだとか。
気候はアルプスの山々からの風を受け、空気の流れが良い場所であると同時に、実は地中海性の気候を持ち合わせているというユニークな土地！
それを示しているのが常に畑に自生しているウチワサボテンです。
土地のシンボル的な植物として、エチケットのデザインにもなっています。
ネッビオーロと同種と聞いてびっくりの味わいと圧倒的なアロマ
使われている品種はキアヴェンナスカ（ロンバルディアでのネッビオーロの別名）。
ネッビオーロと聞くと、かのバローロやバルバレスコのように強い酸やタンニンを想像しますが、アルフィオ・モッツィのグリーゾネは、同じ品種と聞いて驚くほど、まろやかに、穏やかに表現されています。
そしてこのワインの最大の特徴が魅惑的なアロマ。バローロ、バルバレスコをも凌駕する、実に印象深い香りを持ち合わせています。
チェリーやラズベリー、スミレを思わせる香水のような強い持続性のある香りは何かに誘惑されているかのよう。口に含むと、とろけるような滑らかさに包まれます。まさに夢心地…
元となるブドウは、樹齢5年～からなんと100年近くのものまでがあり、古い木にも未だにいい果実が成ります。樹齢が長いほど、上に書いたテロワールの特徴を十分に蓄えることになります。
また醸造・熟成方法は伝統的なスタイルで、自然の重力に逆らわないよう設計されたセラーの中で行われます。
ステンレスタンクで発酵。2000L～3000Ｌのフレンチオーク樽で18ヶ月間、リリース前にさらに6ヶ月間ボトルにて洗練させます。
お料理のペアリングについては、ロンバルディア州の郷土料理（オッソブーコ、コトレッタ・アッラ・ミラネーゼなど）や、ヴァルテッリーナ産チーズのカゼーラなどはもちろんのこと、当主のアルフィオさんが地元のレストランとともにイチオシしているのが、湖の魚料理だそうです！
湖の多いロンバルディア州、湖の魚の淡泊な味わいは、魅力的なアロマを妨げずに楽しんでいただけます。魚好きの日本人としては、とても興味深い組み合わせですね。
個人的に試したイチジクのコンポート、クリームチーズもGOODでした！
土地と自然が持つ強さとしなやかさを、誠実に表現
当主のアルフィオさんは、幼い頃からブドウ畑に囲まれた土地に育ち、鍛冶屋の仕事を経験した後、親戚からの縁があってブドウ栽培の世界へ。
歴史あるこの地のワインを新たに活気づけようと、1998年に自身のワイナリーを創設して以来、サセッラの環境を生かし、自然のままに強いブドウを育つようと、畑の土地を改善し、最善を尽くしてきました。
「私は率直で誠実なワインが好き。ワインを通して、この土地と自然を見出していきたい」
そう話すアルフィオさんは、ブドウ栽培に専念できる地域に生まれたことを幸運に感じているそうです。
決して容易にブドウ栽培ができる土地ではありませんが、その中で育まれた強さ、しなやかさが、アルフィオさんの造り出すワインに現れているような気がします。
ヴァルテッリーナの段々畑を思い浮かべながら、グリーゾネを味わっていただければ幸いです！
ワイナリー：アルフィオ・モッツィ
原産：ロンバルディア州/ヴァルテッリーナ
容量/度数：750ml/14度
ブドウ品種：キアヴェンナスカ（ネッビオーロ）100%
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